明かさない

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女子学生の沙貴は掛けた電話が間違い電話と気付いた。 「間違えました」 相手に謝り電話を切ろうとしたところ。 「きらないでもらっていいですか」 電話先のてっちゃん33歳は沙貴の電話を繋ぎ止める。 沙貴きらずに耳を澄ませる。 「丁度よかった。今彼女さん募集してるんです。お時間よければこのままお電話しましょう。」 「は、はい」 沙貴はよく分からず、流されることにした。 戸惑いならも切るという選択肢はなった。 「お名前は?」 「さきです」 「年齢は?」 「21歳です」 「じゃあ俺より年下ですね、学生ですか?」 「社会人です」 間があって、そうでしたかと返えす。 「何ってお呼びしたらいいですか?」 間があって「あぁ、名前ね」 安っぽかった。 沙貴は教えてくれないのかと慌てた。 「『てっちゃん』と呼んでください」 「『てっちゃん』ですか?」 「はい、『てっちゃん』です。なんなら出川くんでも…」 「てっちゃんさん」 最後まで聞かずに返す。
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