幸せの入口

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インコが右肩に止まった。 逃げられるんじゃないかとじっとしていた。 単に羽を休めに来たか、その程度にしておきたかったのに飛び立つのに気付き、静かに振り向く。 肩から離れていて窓の外に飛び立つところだった。 目は開眼して留めようとしてる。 知らないふりし過ぎて気に掛けなかったことを後悔した。 何って声を掛けていいか分からないと言えば全てなこと。 肩に止まったまま居てほしかった。 名残惜しくて、窓は少し開けたまま。 たんすと冷蔵庫とテレビとラジオがある部屋。 猪瀬明日奏(あすか)フリーの仕事をして過去を懐かしむアラサー。 趣味はあそぶこと。恋は中学のときにした。 高校は男子高校。大学は都内から出て関西にある。 そのころは夢を現実にしようとしていた。恋愛は相手にされたら乗ろうかな程度。 ラジオから流れるのは海外の曲。 チューナーはローカルよりも洋楽が良いから。 前はクラシックを聴いてた。 今は仕事がはかどるBGMだ。
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