良縁

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オフィスではいつものように、キーボードをたたく音や印刷機の音、仕事に関して話し合っている声などが飛び交っている。 私はその音が好きで、それらを聴きながら自分の仕事をこなしている。 すると、私の上司もとい初恋の彼、千田良がいつの間にか背後に立っていた。 「笹本、例の資料どうなってる? 順調に進んでるか?」 「はい、なんとかやってます。ただちょっと納得できない所がありまして……」 「どこだ? 見せてみろ」 「えっと……、ここなんですが……」 その箇所を示しながら説明すると、彼は難しい顔をしながら、いい案がないか考え始めた。
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