2人が本棚に入れています
本棚に追加
そう口に出した瞬間、気づけば目の前が暗くなり、とても温かいものに包まれていた。
彼のたくましい腕に抱きしめられていたのだ。
「あの……、千田部長。離して……、もらえませんか?」
「それ、本当か? 夢じゃ……ないよな?」
「えっ?」
「お前が俺に恋してるって」
「えっと……、あの……」
「それって、俺のこと、好きってことでいいんだよな?」
そう聞かれた瞬間、自分が今何を口走ったのかを思い出し、途端に顔が熱くなった。
「それは……! その……」
「自惚れても、いいんだよな?」
「……はい」
「……いつからか、聞いてもいいか?」
「小学校の時……です。でもその時は自覚がなかったんです。ただ気になる人だなあってだけで。でも……」
「でも?」
「あなたと同じ会社で、部下として働いているうちに、あの時の人だって気づいて。そしたら、あなたに対する気持ちが、実はそうなんじゃないかって」
「そんなに前から俺のことを思ってくれていたのか?」
「はい……。千田部長は、いつから……私のことを?」
「俺も同じだ。小学校でお前を見て、一目で好きになった。会社で上司と部下として働くことになったときは、本当に嬉しかったし、絶対手に入れてやると思ってた」
そう言ってさらに力を入れて抱きしめてきた。
最初のコメントを投稿しよう!