澪ちゃん、昔話

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**** 「みお、なんかうれしそう!いいことあった?」 つぎの日、みおはりっちゃんと学校にいったよ。 りっちゃんはちょうど右の糸きり歯のとこが抜けちゃってて、いつものかっこいい顔が、なんだかちょっぴりおもしろいかんじになってるの。歯ぬけ! 「あのね、ママがね、みおのたん生日に、みおのすきなピラフつくってくれるんだ!りっちゃんにもたべさせてあげたい!」 みおが言うと、りっちゃんがニコッとわらって、みおのあたまをなでてくれた。 「そっか、よかったな、みお!おれもみおにプレゼント準備してるから、たのしみにしてろよ!」 「なにくれるの??」 「なーーいーーしょーーーっ!!」 りっちゃんはそういうと、ピシッとブイサイン。 「りっちゃん教えてよぉ〜〜〜!歯ぬけ〜〜!」 「歯ぬけ!?おいこら、待て〜〜!!」 りっちゃんがおいかけてきて、みお、がんばってにげたけど、すぐつかまっちゃった! 「はい、おれの勝ち〜〜!おれのシュンソクからにげようなんて、100年はやいっ!」 「りっちゃん、『シュンソク』ってどういうイミ?」 「……………、わかんない。」 もーーーーっ、りっちゃんたら! りっちゃんはとってもおもしろくて、あかるくて、みんなの人気ものなんだ! こうやっていっしょに学校にいってると、女の子も男の子もみんなりっちゃんにあいさつしていくんだよ! そしたらりっちゃんは、歯がぬけてるのも気にしないで、めいいっぱい、にっこりわらいながら、「おはよう!!」ってあいさつするの!
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