番外編:片想い~愁の彼女side~

2/8
301人が本棚に入れています
本棚に追加
/346ページ
運命だと思った。たまたまコンビニへ足を運んでみたら、自分好みのイケメンがいた。 最初はどうしたらいいのか分からず、戸惑っていた。 でも、迷っていても仕方がないと思い、意を決して声をかけてみた。 「あの…、すみません」 声をかけてみたものの、肝心の話す内容を考えていなかった。 このままではまずい…と思い、逃げようかと思ったその時だった。 「はい。何か探し物ですか?」 そっか…。その手があったか!店員さんナイス。 まずは探し物を探してもらうところから仲良くなればいいのだと、気持ちを切り替えた。 「えっと…、ハーゲン〇ッツの新作ってありますか?」 大して欲しいものではなかったけれども。 でも、いいの。この目の前にいるイケメンと仲良くなるためなら。 「はい。こちらでお間違いないでしょうか?」 ここで会話を途切れさせたくなかった。 何とか続けるための手段を、ない頭を働かせて考えてみた。 「お兄さんのオススメってなんですか?」 勢い余って質問してみた。絶対に困ってるよね?早く何か次の言い訳を考えなくては…。 「僕のおすすめはビターチョコですかね。とても美味しいですよ」 キラキラした営業スマイルに、心が射抜かれた。 ダメだ。私はもう完全にこの人に落ちてしまった。 「ビターチョコ美味しいですよね。私も好きです!」
/346ページ

最初のコメントを投稿しよう!