1章:ずっと一緒だと思っていた…

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「行きたい!愁と一緒に!」 立ち並ぶ出店を、二人で並んで歩きながら巡って。 いっぱい買ったら花火を見て。そしてそこで花火を見ながら告白されて…。 そうなればいいなと思った。私の勘違いかもしれない。愁は私を友達としか思っていない可能性もある。 それでも、愁が夏祭りで一緒に過ごす相手として、私を選んでくれた。 もっと愁の傍にいたい。愁の傍に居られるのであれば、私はずっと愁の一番をキープしたいと思った。 「それじゃ、その日はバイト早番でよろしくね。 …本当は入れないでほしいけどね」 ここまで言われて、ふと思う。愁の気持ちはどこにあるのだろうか。他に好きな人はいないのだろうか。 もしかして、本当は彼女がいるんだけど、上手くいっていないとか。 そんなことはないと思う。見た目こそ遊んでいそうに見えるが、中身はとても真面目な好青年だ。 そんな彼が、遊びで私を誘うなんてことないと思う。 どうして、ここまで断言できるのだろうか。そう思い込みたいだけなのかもしれない。 それでも、一番肝心なことにはまだ気づけないままでいた。 そう。それは彼の本当の気持ちだ…。一番知りたいはずなのに、まだ知らない。 思い切って、私の方から告白してみるのもアリかもしれない。 だけれど、もし勘違いだったら…。気まずい雰囲気が流れ、下手したら今のアルバイト先を辞めないといけないかもしれない。 愁がいるからと続けてきたアルバイトだったが、なんだかんだ働く仲間も良く、すっかり居心地が良くなってしまっていた。 だからこそ、余計に告白して気まずい雰囲気だけにはなりたくなかった。 どうして、そんなに私に期待を持たせるようなことばかり言うの?今すぐにでも愁の気持ちを教えてほしかった。
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