1章:ずっと一緒だと思っていた…

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ここまで言われて、勘違いしない女の方がおかしい。もうとっくに勘違いしてしまっている。 優しくされて、思わせぶりな態度まで取られて…。 これでもし、私のことを好きじゃなかった場合、私は何を信じたらいいのか分からなくなりそうだ。 ここに来るまでの勢いは、全て消えてしまった。 私は今日、愁に告白しようと思っていた。そうすれば、愁の思いを知ることができるから。 もし、仮にダメな結果であれば、前に進むことができる。 一方、仮に良い結果であれば、恋人として付き合うことができる。 そうしたいと思っていたのに…。マイナスなことばかり考えてしまう。 告白して、ダメになって、距離ができてしまうことが怖いんだ。 離れたくない。いつまでも愁とこうしていたい。傍にずっと居たいと思った。いつの間にか欲張りになっていたみたいだ。 「嬉しいよ。だって愁が褒めてくれたんだもん」 またやってしまった…。愁の言葉を聞く前に、自分で遮った。 「…ねぇ、愁。私、たこ焼きが食べたいな」 話を逸らした。もうそうするしか手段がなかった。 きっと愁は、私の気持ちに気づいているかもしれない。 それでも、私は恋愛経験が少ない。だから愁がどう想っているのかが分からない。 だから、気持ちを確かめることが怖いんだ。私はどこまで踏み込んだらいいのか、分からないから。 気持ちを聞くことで、この関係が壊れるくらいなら、今のままを望みたい。 でも、他の(ひと)に愁を()られたくない。それならば今すぐに……。 もう無理だ。何を考えても、結局は逃げてしまう自分がいる。 どこか不思議だった。彼なら私の傍を離れていかない。きっと彼も私のことが好き…という、根拠のない自信があった。 でも、本当は不安で。嫉妬でおかしくなり、今すぐにでも叫び出したい気持ちだ。
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