1章:ずっと一緒だと思っていた…

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これが少女漫画だったら、男の子の方から告白してくれるのに…。 どうして、愁は私に告白してくれないのだろうか。 …って、またバカみたいなことを考えてしまった。 このままじゃダメだ。ずっと臆病なまま、気持ちを告げられずに終わるのは辛い。 だからこそ今、玉砕覚悟で告白してしまえば、失敗に終わっても、友達でいられるかもしれない。 何度も自分にそう言い聞かせた。そんな呪文は全く無意味で。 次第に考えはネガティブな方向へと変わっていき、気持ちを告げない方が、相手にこの気持ちがバレることもなく、愁の傍に居続けることができるような気がした。 段々とそう考えるようになり、この日を境に、気持ちを告げることを諦めるようになった。            ◇ 結局、絶好のチャンスを逃したまま、気持ちを告げられずに、夏休みが終わってしまった…。 大学も始まり、次第にバイトで一緒に過ごす時間も減っていった。 シフトは毎回被っているが、夏休みとは違い、一緒に働く時間が短くなってしまった。 一度でいいから、同じ大学ならば、愁とすれ違ってみたい。 同い年だし、学部も一緒だったら、バイト先で知り合うよりも先に、大学で知り合っていたかもしれない。 サークルも違うから、たまたまアルバイトが同じでラッキーだったなと思う。 学部は違えど、同じ大学なので、学校の話題も多い。 これは運命かもしれない。そう思わずにはいられなかった。
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