1章:ずっと一緒だと思っていた…

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私の手持ちのお金がもうすぐ底を突く頃…。 そろそろ本格的にアルバイトを探さないといけなかった。 私はこれまでアルバイトをしたことがなかったので、まずは何から始めたらいいのか、初心者にはどんなアルバイトが向いているのか分からず、困っていた。 どうしたものかと途方に暮れていたところ、友達の中に数人、アルバイト経験者がいた。せっかくなので、アドバイスを頂いた。 「初心者にはコンビニとかやりやすいよ。それに時間の融通とかも利くし」 私は早速、友達のアドバイス通りに、コンビニのアルバイトを探してみることにした。 確か住んでいるアパートの近くにコンビニがあったような…。 なんて思いながら近所を散歩していると、なんとそのコンビニでアルバイト募集の貼り紙が…。 私は散歩をササッと切り上げ、自宅へと帰宅し、募集していたコンビニへ電話をかけた。 電話をかけたらすぐに繋がり、軽い質問を受け、そんなこんなで面接を受けることが決まった。 面接自体は簡易的なもので、その場ですぐに採用が決まった。 よく分からないまま、アルバイトは決まり、私はまた新たな生活のスタートを切ったのであった。 そして、この先どんなことが待ち受けているのか、期待と緊張が入り交ざっていた。            ◇ アルバイトは案外すんなり慣れた。仕事も徐々にこなしていけるようになり、私は研修を無事に終えることができた。 同じ時間帯に働く人達は学生が多いので、心細くはなかった。 私の教育係の人は、私と同い年の男子だった。最初は見た目がチャラそうなので緊張していたが、話してみたら案外、優しくて真面目な人だった。 私は彼と仕事をしている時間が、とても楽しかった。 でも、もうすぐ研修が終わる。研修が終われば、もう接点がなくなるかと思っていたが、彼の方から気を利かせて、積極的に声をかけてくれた。 私はそれがとても嬉しくて。いつの間にか彼と過ごすために、アルバイトへ行くようになっていた。
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