番外編:大切な人〜中山side〜

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「大平幸奈です。よろしくお願いします」 彼女の第一印象は、笑顔がとても素敵な人だった。 気づいたら、彼女のことを目で追っていた。これが恋だと気づくのに、そう時間はかからなかった。            ◇ 「俺、大平さんのことが好きなんだ」 バイト仲間兼、友達に告げられた何気ない一言だった。 俺は心の中でショックを受けていた。何故なら、必ず俺は彼に勝てないからである。 皆から女の子は愁のことを好きになってしまう。 いつだって俺は、彼に勝つことはできなかった。きっと今回もそう。彼女も愁のことを好きになるに決まってる。 それに、珍しく親友の方から女の子のことを好きになったので、ここは親友に譲るしかなかった。 「そうだったんだ。頑張ってゲットしろよ」 胸が少し痛んだ。 でも、不思議なことに、いつしか淡い気持ちは消えてなくなり、自然と二人のことを応援している自分がいた。 俺はこのことで気づかされた。大して大平さんのことを好きではなかったのだと。 親友に譲って正解だったと、今なら胸を張って堂々とそう思える。 きっと愁に本当のことを話したら、そんなことしてくれなくてもよかったのに...なんて、叱ってくれたかもしれない。 そんな二人も色々あったが、やっとお付き合いすることになった。 そんなある日、二人に呼び出された。 親友の彼女が俺と二人きりで話したいというので、親友の彼女と二人きりで食事をしていた。
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