番外編:とある日の二人〜幸奈side〜

7/8
310人が本棚に入れています
本棚に追加
/346ページ
「幸奈、お前は自分の魅力を全然分かっていない!いいか?お前のことを狙ってる男なんて結構いるんだぞ? バイト先でも大学でもお前は人気者だから、俺はお前のことが心配で、遠くからお前のことを監視…、いや、何でもない」 ん?私の聞き間違いでなければ、今、愁は監視と言ったような気がする。 確かに私と愁は同じ大学に通ってはいるが、今まで一度も大学構内ですれ違ったことや見かけたことなどないはず。 どうして、私の大学構内での様子を知っているのだろうか。それに監視ということは、ずっとどこかで見張っていたということになる。 「もしかして、ずっとストーキングしてたってこと?」 「べ、別にストーキングしてたわけじゃない。心配だから、ただ様子を見ていただけだ」 世間的にはそれをストーカーということを、愁には敢えて黙っておくことにした。 まさか自分の彼氏が元ストーカーなんて、あまりにも可哀想で、本当のことは言えなかった。 それにもう過去の過ちなので、水に流して許すことにした。 「そういうことにしておいてあげるよ。 でも、これからは見かけたら声をかけてね。遠くから見守るのはもう禁止」 まさか自分の彼氏が自分を監視していたなんて、友達に知られでもしたら、紹介しづらくなってしまう。 そうならないようにするためにも、今のうちに改善していこうと思う。 「分かった。次からは声をかける」 そもそも知り合いなはずなのに、何故、愁は声をかけられなかったのか、不思議で仕方がない。
/346ページ

最初のコメントを投稿しよう!