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「中山くんは愁のことで、何か知ってることがあるの?」
「それは大平さん次第かな。とりあえず送るよ。一緒に帰ろっか」
夜道を一緒に歩き出した…。いつも隣に居るはずの人ではない人と共に…。
◇
「大平さんはさ、愁のこと…好きなの?」
いきなり唐突な質問をされた。これはきっと、中山くんの話したい話に直結しているのであろう。
でも、私の気持ちを中山くんに教えることはできない。
だって、愁には今、彼女がいるから。誰かにこの気持ちを知られるわけにはいかなかった。
「どうしたの急に?私は愁のこと、友達として好きだよ」
嘘をついてしまった。嘘なんてつきたくなかったのに…。
しかし、本音を言うわけにはいかない。本当は誰よりも好きだと伝えてしまいたいけど。
「それじゃ、この話をしても問題ないか。本当は愁に止められてたんだけど、大平さんが愁のことを好きなら…って思ったんだ。
まぁ、気持ちがないなら、黙って聞かなかったことにしておいてくれる?」
この展開は…まさか。想像していた嫌な予感が的中してしまった。
愁は中山くんにどんな話をしていたの?私に言えないことって一体、どんな話なの?
知りたいのに、知るのが怖い。この先を聞きたいようで、聞きたくなかった。
「愁は大平さんのことが、好きだったんだよ」
私のことを……好きだった………?
それじゃどうして、私ではなく、あの子を選んだの?
そういえば、あの時聞かれた一言を思い出した。
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