2章:一番になりたい

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「中山くんは愁のことで、何か知ってることがあるの?」 「それは大平さん次第かな。とりあえず送るよ。一緒に帰ろっか」 夜道を一緒に歩き出した…。いつも隣に居るはずの人ではない人と共に…。            ◇ 「大平さんはさ、愁のこと…好きなの?」 いきなり唐突な質問をされた。これはきっと、中山くんの話したい話に直結しているのであろう。 でも、私の気持ちを中山くんに教えることはできない。 だって、愁には今、彼女がいるから。誰かにこの気持ちを知られるわけにはいかなかった。 「どうしたの急に?私は愁のこと、友達として好きだよ」 嘘をついてしまった。嘘なんてつきたくなかったのに…。 しかし、本音を言うわけにはいかない。本当は誰よりも好きだと伝えてしまいたいけど。 「それじゃ、この話をしても問題ないか。本当は愁に止められてたんだけど、大平さんが愁のことを好きなら…って思ったんだ。 まぁ、気持ちがないなら、黙って聞かなかったことにしておいてくれる?」 この展開は…まさか。想像していた嫌な予感が的中してしまった。 愁は中山くんにどんな話をしていたの?私に言えないことって一体、どんな話なの? 知りたいのに、知るのが怖い。この先を聞きたいようで、聞きたくなかった。 「愁は大平さんのことが、好きだったんだよ」 私のことを……好きだった………? それじゃどうして、私ではなく、あの子を選んだの? そういえば、あの時聞かれた一言を思い出した。
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