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ネコサマ
小学校のすぐ近くに住むお婆さんが亡くなったらしい。つい先日のことだよ。
そのお婆さんは神様を信じていたんだって。いや、別に人がどんな神様を信じて宗教に入り込むなんて自由だと僕は思ってるよ。
どんな宗教だってさ。結局、人が弱くて助けて欲しいと望んでいるから『神様』に救いを求めるんだよね。『神様』っていうものにすがるんだ。
「助けてください」
「助けてください」
ってね。
それ自体は悪いことじゃないよ。
誰だって、弱い部分はある。僕にも。君たちにも。
でも、すがって頼りきって全てを委ねるのは違うんじゃないかな。自分の生きる全てを『神様』に委せちゃうのは、違うんじゃないかな。
そのお婆さんは、ある宗教に盲信していた。神様は、猫の形をしていた。
ねえ。みんなの中で猫が好きな人、どれくらいいる? 犬が好きな人は? 何でもいいんだ。鳥でも、馬でも、ハムスターでも。その動物たちに何をどれくらいしてあげられる?
出会ってから命が尽きるまで寄り添ってあげられる? 彼らに尽くせる?
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