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「ふーん。信じてるのか、おまえは」
「この歳まで無病息災でいられているから、本当だと思うけど」
小さい頃から母からそう言われ続け、勉強会でも教祖様が肌身離さず持つようにと言っていた。だから僕は別段、疑問に思ったことはない。
「やっぱりお前なら、俺の話も信じてくれそうだな」
僕が怪訝な顔をすると、神藤くんは「俺さぁ、実は神様の子孫なんだよ」と切り出した。
神藤くんの話を聞いた僕は、妙に納得してしまった。
男女問わずに人に囲まれ、生徒会長や学級委員長までしている。長身でイケメンなうえ、文武両道。天は二物を与えずというけれど、神の子孫だったらあり得るのかもしれないと僕には思えた。
神藤くんにそのまま伝えると、驚いた顔をして「やっぱり変な奴だな」と言ってきた。
「他の奴には内緒な。それから、急にお前と仲良くなったと周囲が知ったら、疑問に思う奴も出てくると思うんだ。だから俺が声をかけるまで、俺とは関わらないで欲しい」
神藤くんがそう言うならと、僕は了承した。 そもそも、僕から話しかけるのはハードルが高いことだった。
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