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ブリッツ ~血(オイル)を求めるヴァンパイアを倒すもの~
くーげるフィッシャー 様作
【あらすじ】
自動車整備士として働く、車を愛してやまない主人公は、父親の再婚で自分の部屋を借りるため、有り金と愛情を注ぎ、レース用にチューニングした愛車を手放すこととなってしまった。ある日、レースに出た顧客の車が大破し、修理に持ち込まれるのだが、原因はヴァンパイアと呼ばれる車が絡んだクラッシュのせいだと告げられ、かつて自分が倒した相手が挑発していることに気づく。知人(友人かな)からレースに出るための車のチューニングを依頼された、主人公。それがきっかけで日常は変化していく。
書き出し一行目はこちら
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すっかり真っ暗になった街をいつも通りゆっくりと自転車を漕いで帰る男の姿があった。
(引用)
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タイトルで気になるのは血(オイル)。車のオイルを血に例えているのか、それとも魂そのものと考えているのかで、イメージは変わっていく。あらすじから推測するに、この物語のヴァンパイアは人ではなく車である。その車自体に意志があるのか、または運転手の意志で何らかの事件を起こしているのかで、ジャンルのイメージは大きく変わる。
では、あらすじのほうに触れていく。主人公は、車いじりが好きだったからこそ、自動車整備士となったと見受けられる。一般的には、好きでなければつきそうにない職業だからだ。と、なると元々車が好きだったのかも知れない。気になるのは、”かつて自分が倒した相手”の部分。この物語には、前作がある、もしくは主人公にはまだ語られていない過去があり、物語の中で段々ともしくは冒頭などで語られる可能性があることが、考えられる。もう一つは”レース用にチューニングした愛車”を持っており、手放した。かつて自分が倒した相手にかかって来る文だとするならば、レースに出ていた過去があるということ。この物語のあらすじはからは、そう言った過去を持つ主人公が、これから事件に巻き込まれていくという事が、予想されるのである。
書き出し一行目を見ると、恐らく主人公の毎日の光景を表した一文であることが分かる。彼は自動車整備士だという背景から、毎日真っ暗になるまで働いており、自転車通勤だという事。ということは、冒頭ですでに、愛車を手放してしまっているという事。ここから語られるのは、恐らく、車を手放した経緯であろう。
彼はいったいどのようにして、事件へ関与していったのか。過去に何があったのか。とても見どころが満載の作品だと想像がつく。是非、あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか?
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