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異世界凡人 〜転生しても普通の僕は全属性を扱えるようになりました〜
葵春 様作
【あらすじ】
平凡な主人公が、少女を助けてトラックに轢かれ、目が覚めたら草原に居た。
異世界に転生した主人公が冒険中に仲間にであったり、苦戦しながらも努力で人生を切り開く物語。
書き出し一行目はこちら
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目が覚めるとそこは草木しかない平原が広がっていた。
(引用)
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この物語の要は”凡人”であるということ。ここが非常に重要なポイント。
こんなに世の中にチートが溢れかえっているにも関わらず、凡人を主人公に選ぶのは、作者が”凡人”は”チート”を超える魅力があると、考えているからではないか、と想像できる。では凡人の魅力ってなんだろうか。凡人とは、秀でるところのない目立たない者のイメージが強い。仮に、優れたものに追いつこうとすれば、多大な努力が必要となるのだ。そう、努力することそのものに魅力があるのだ。
この主人公は、あらすじを見るに、凡人なだけではなく不幸体質なのではなかろうか、という想像も出来る。人助けをしようとして、轢かれてしまう運の悪さ。転生しても、何もないところに飛ばされる。運が悪過ぎである。
しかしながら、運が悪すぎるという点では、思わずクスっとしてしまう。つまり、この物語には、思わず笑みが零れるような場面もありそうだという期待感が沸くのだ。
書き出しは、なんだか絶望しそうな何もないところ。目が覚めて、別の場所に飛ばされているというのは異世界転生ものの王道パターン。つまり、異世界転生ものというジャンルにおいての読者の期待を満たしている。何もないということは、一から何かを構築しなければならない。主人公は、平原を見て、何を思ったのか。それとも、冒険ものに良くある、誰かにいきなり声をかけられるパターンが待っているのか。それとも、突然魔物に襲われるのか。いろんな想像ができそうな、書き出しである。
タイトルを見ると、全属性が使えるようになったとあるが、平凡で不運な主人公のイメージが強い冒頭。並々ならぬ努力があったのではないだろうか、と想像がつく。つまり、書き出しから全属性が使えるようになるまで、壮絶な物語が待っているのではないだろうかと、読み手を期待させるのだ。
さあ、あなたもページを開いて、平凡な彼と冒険に出かけませんか?
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