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「安城さん、そんな痩せるまで働かされる会社など辞めて、また私の所で働きませんか」
明美が座って昨日ビールを飲んでいた椅子に今度は藤堂さんが座り、私が淹れたコーヒーを飲んでいた。
私は首を振る。
「働かされてたわけじゃなくて、自分で無理に仕事を詰め込んでただけです」
「私の事を忘れたくて？」
「うるさい口縫いつけるぞ」
「安城さんの照れると暴言吐く所変わりませんね。可愛らしすぎて困ります」
「もうほんと、惚れポイントおかしすぎる」
はあ、とため息をつく。なんでこうなったんだ。こいつはヤバいやつって分かってたはずなのに、変態って知ってたはずなのに。
藤堂さんはニコニコしながら続けた。
「まあ安城さんが続けたいというなら仕方ありませんけど。こちらはいつでも永久就職ウェルカムですよ？」
「ぶっ！」
飲んでいたコーヒーを吹き出してしまった。慌てて口元をティッシュで拭く。
「な、何言ってるんですか！飛躍しすぎでしょう！」
「飛躍？ああそうですね、まずはステップとしてベッドにインもしなければならな」
「熱々コーヒー頭にぶちまけるぞ」
「まあそんなのも私には重要ではありませんよ、私はあなたに出会った日からウェルカムなんですからね。その日が待ち遠しいです」
頭痛がする頭を抱えた。
なんだか、やっぱり自分は選択を間違えた気がする。この男、久々に話してみたけど頭のネジが足りなすぎる。
なぜだ。なぜ私はこの男を好きになってしまったんだろう。
「トヨさんも寂しがってましたし、星野なんてあなたを引き止められなかった自分を責めて落ち込んでました」
「えっ、それは……申し訳ないことを……」
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