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僕の家は、けして裕福ではなかった。
父はギャンブルで借金を作り、母は昼も夜も働いていた。母は昼のパートから帰ると、急いで夕飯を作り、夜はスナックに働きに行った。
それをいい事に、父は仕事が終わると閉店までパチンコをしていた。
だから、顔を合わせば喧嘩ばかりしている両親だった。
僕には六つ年上の兄がいる。喧嘩もしたけど、仕事で帰りが遅い両親の代わりに食事を作ってくれたり、勉強を教えてもらったりしていた。
子供の頃から、家にお金がないのはわかっていた。だから僕は、欲しい物があっても我慢した。
友達がゲームの話をしていてもついていけず、学校でも一人でいる事が多かった。放課後も携帯ゲーム機がないと遊びに誘われる事はなかった。
それに、みんなは塾や習い事で忙しいのに、僕の家は習い事なんてさせて貰える余裕がない事はわかっていた。
お金がないだけで、こんなにも惨めな思いをするんだと思い、悲しかった。
兄が高校に入り、バイトを始めてからは、一人で留守番する事が多くなった。
兄はそんな僕の為に、バイト代でゲーム機やソフトを買ってくれた。
僕は嬉しかった。まだ小学生だった僕は、一人でゲームをしながら、兄の帰りを待っていた。
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