僕の愛する君へ

4/27

30人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
 僕が中学に入学する時に、兄は高校を卒業した。  兄は進学をせずに、就職して都会に行ってしまった。この町には仕事がなかったからだ。  兄は学校の成績は良かったらしい。兄が中学の時に担任をしていた先生が話してくれた。  進学だってそうだ。お金がないと大学にも行けないのだ。  でも僕はお金がない事を理由に、進学を諦める事はしたくなかった。  みんなは塾に通い、滑り止めを受けてから志望校を受験する。僕には滑り止めを受けたところで、私立の高校には行けないのはわかっていた。  志望する高校に合格出来る確率は70%だった。ランクを下げるように担任から言われたが、僕は首を縦には振らなかった。  
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加