預言者は人気者なり

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「……速水ごめんな。俺が止めやれなかったばかりに。もしかして……虐められてたのか?嫌になっちゃったのか?だからあんなことを?  もし何か悩んでるなら、いつでも俺に相談をしてくれよ。一人で悩んじゃだめだ。入学と同時にこの地域に引っ越してきたお前にとって、今はまだ居心地が良くないかもしれないけど、絶対に気の合う奴はいるからさ。休み時間は本を読むのもいいが、もっと周りを見回してみろよ? ああそうだ。真島(まじま)なんかどうだろうか?あいつも本好きだよな。……おお、脱線した。とりあえず、なんでも相談できる友を持つことが一番だ! その相手はモチロン先生でも大歓迎だからな!!」 その笑顔は清々しく、本当はこんな熱血教師のような一面もあるんだなと初めて知った。 けれど、ゴリラみたいに雄叫びを上げて喜ぶ姿を見てしまった以上、あんまりお近づきにはなりたくないな。と思いつつ、僕は鬼教師ではない佐熊先生を少しだけ身近に感じていた。 なんでも相談できる友……か。 ……真島って、誰だっけ? 僕はまたもや教室に戻ることにした。
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