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喰われた直後に…
『魂喰い』である弟にがっつかれ強制的な空イキを体験した後……俺は必死に祈り続けていた。
理由は研究所の所長さんからの伝言と、弟の発言だ。
「研究所の皆が見ている前で」
「今度はイかないように頑張って」
俺をおちょくるのが楽しくて仕方がない。
常日頃、そう明言しやがる弟のことだ。
研究員の前で実の兄貴を無理やりイかせたり、人前で生き恥をさらす俺を見て大爆笑……なんて姿が容易に目に浮かぶ。
というか嬉々としてやりそうだ。むしろ今までされなかったのが不思議なくらいだ。
うおおお、絶対イヤだぁぁあ!
神様仏様宇宙人さま、誰でも良いから助けてください。お願いします、今すぐ『魂喰い』を治してーッ!
「ところでさー兄貴」
「な、何だよっ」
ベッドの上に座る俺を、床に立つ弟が見下ろしてくる。
人の真剣な祈りの最中に邪魔すんな、と睨みつけても怯む様子はない。全くもって平然としてやがる。
……くそう、やっぱ自分と同じ顔だと恐く見えないのかな。
「さっき空イキした後、自分でちゃんと精液出した?」
「へ」
ちょっと待って。
いきなり何言ってんのお前。
「何かさぁ、ドライってめちゃくちゃ気持ち良いらしいんだけど、身体にはあんま良くないんだって。詳しいことは俺も知らないけどね、噂だと頭が馬鹿になるとかチンコが駄目になるとか」
「えっ」
あまりに予想外な言葉に、一瞬で血の気が引いた。
そんなまさか俺のチンコ駄目になっちゃうの?
頭は元々あれだけどチンコが駄目って何。
痛くなったり腫れたり腐ったり最悪もげて無くなるとか……そういや前に、条件が揃うとチンコが爆発する都市伝説みたいなの無かったっけ。
――ひいぃいいっ。
涙目になる俺の腕を、やけにいい笑顔の弟が掴んだ。
その途端びくりと跳ねる身体。
ああっ、嫌だ待って今はまだ触られたくないんだってば。
「ほら見せて見せて、兄貴の可愛いチンコが変になってないか、俺が確認してあげるから」
「ちょっ、止めろバカ。あっやだ触んな……ひっ、ァ、うゃああぁん!」
………………。
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