徳川的詩集

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冬に孤独       冬は苦手です。  日は昇るのは遅いクセに  落ちていくのは早いせいで  暗い世界に独りでいる気がしてしまうから。  冬は苦手です。  真っ白の雪が降るのは綺麗なのに  ふと周りを見渡したら  白の大地に自分だけ置いていかれた気がしてしまうから。    冬は苦手です。  美しく澄みきったあの空気に  指の先から吸い込まれて  友の声も彼の叫びも  何もかもが遠のいていく気がしてしまうから。  冬は苦手です。  孤独に感じてしまうから。
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