神様の役目。俺の役目。

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「何が言いたい?金なら貸さねー。」 「違うって。いや、俺、本気出してお金を稼ごうと思って。」  言い方がいやらしいな。『金を稼ぐ』ってカタギの言い方じゃねえな。 「就職すんの?」 「いや。」 「ギャンブルか?」 「いや。」 「犯罪か?」 「いや。」  え?お金を稼ぐのにこれ以外の方法ってあるの?  俺は考えて、考え抜いて、思考がお金の稼ぎ方から経済の在り方に発展し、ついには社会主義の優位性に思いを馳せ、脳内連邦国がペレストロイカを招いた果てに、ふと思いついた。 「会社を興すのか?」 「会社、うーん。ちょっと、いや、そうなのか。」  タケシは身をよじって正解の札を上げようか悩んでいた。  いや、そんな悩まんでええんやよ。  こんな、ノーリスクノーリターンのクイズ大会に使うシンキングタイムがもったいないんよ。 「なんだよ。早く答えを言えよ。タケシ。」  タケシは両手を太ももに、ひじを曲げずに突っ張り、あらためて座り直してこっちを見てきた。
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