神様の役目。俺の役目。

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 俺はタケシとタケシの家の庭にやってきた。 「こっちこっち。」  タケシに促され、神社のお社っぽい物置の中に入った。  板張りの物置の中は意外に物が置いていなかった。  あるのは大量の絵馬の入った段ボール箱がひとつ。 「本当だ。結構な量あるのな。」  俺は乱雑に段ボールに詰め込まれた絵馬をひとつ摘まみ上げて読んだ。  合格祈願、恋愛成就。普通だな。 「たいして面白くもないけど?」 「いや、面白いのあったって。探そうぜ。」  ザッサー!タケシは段ボール箱を目の前でひっくり返した。  そして、物置の板の間に散らばった絵馬を手当たり次第に拾って読んでいった。  そうして読んでいって、ある絵馬を見た時にタケシはニヤッと笑った。 「おい、福田。」  タケシは一枚の絵馬をチラッと俺に掲げてから、おもむろに読みだした。
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