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「次。」
タケシはまたも絵馬をとっかえひっかえピックアップし、一枚を選んだところで手が止まった。
タケシは、その一枚を最初、何かが引っ掛かる様子で見つめ、やがて何かを発見し、ニヤッと笑った。
「いきます。絵馬ネーム細川さん。『彼女欲しぃー。』」
「普通じゃん。」
期待してただけにガッカリ。タケシのお笑いセンサーは壊れたのか?
「いや、違うんよ。」
タケシは絵馬に書かれた文字の小さい「ぃ」を指差した。
「ほら、この小さい『ぃ』見覚えない?」
俺は、アゴに手をあて、犬がモノを見る時にピントを合わせるかのように首をかしげた。
「いや、どっかで見たぞ。そういえばこの小さい『ぃ』を使った『すぃーとぽてと』のメニュー札をどっかで見たような・・。」
タケシはニヤッとした。
「そう『パーラー細川』!」
俺はタケシと顔を見合わせた。驚いて、見つめ合って、そして笑った。
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