幸せを願って

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療養所と言っても少し行けば街がある。そこからここまで散歩に来る人、景色を楽しむ人が訪れる。 私はいつも決まったベンチに座り本を読んでいる。 「あら鈴ちゃん、今日は顔色いいじゃない」 とか… 「今日も抜け出して来たの?体調大丈夫?」とか… 散歩の常連さん達が声をかけてくれる。 その中に何時も決まった時間にここを通る男の人がいる。年齢は多分20代半ば、長身で肩幅はあるけど細身、顔は…整っている。 いつも「こんにちわ」だけ言って通り過ぎる。日頃、男性と言えば年配のおじいちゃん先生しか見てないから、目の保養に持って来いのいわゆるイケメン。 別に特別な感情なんてなかった…。
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