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「まったく……自分でコマに志願したくせに何を言ってるんだアイツ」
仁は自らコマになる事を志願した。
もちろん様々なリスクを踏まえた上でだ。
自らコマになる隊員など今までおらず、多くは上層部が指名するか、
死刑囚を厳重な警備の下で酷使する。
しかも仁は志願の理由を一切話そうとしない。
そんな仁の存在は仲間の目から見ても異質であった。
「さて、それはそうとして……もう一人の問題児はどうするか」
朝食を食べ終わり、自室でゴロゴロ転がっているであろう
問題児こと結を叱りに、賢人は結の巣に突入する。
「ワッ!? ビックリしたぁ……ちょっとカラスマ君、
女の子の部屋に入る時はノックぐらいしてよ!
セクハラで司令に言いつけるよ」
案の定、ベットに転がってスナック菓子をむさぼる結が居た。
「ほぅ、なら私は仕事も勉強もせずにゴロゴロしてるお前を
職務怠慢で司令に報告してもいいんだな?」
「カラスマ君のスケベ、変態、鬼、悪魔!」
「いいからさっさと仕事を済ませてこい!」
恨めしそうな目つきで賢人を睨むと、
結は走って部屋から出て行ってしまった。
「……なんでウチの連中はこうクセが強いヤツばっかなんだ」
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