2節

2/3
前へ
/70ページ
次へ
 「まったく……自分でコマに志願したくせに何を言ってるんだアイツ」  仁は自らコマになる事を志願した。  もちろん様々なリスクを踏まえた上でだ。  自らコマになる隊員など今までおらず、多くは上層部が指名するか、  死刑囚を厳重な警備の下で酷使する。  しかも仁は志願の理由を一切話そうとしない。  そんな仁の存在は仲間の目から見ても異質であった。    「さて、それはそうとして……もう一人の問題児はどうするか」  朝食を食べ終わり、自室でゴロゴロ転がっているであろう  問題児こと結を叱りに、賢人は結の巣に突入する。  「ワッ!? ビックリしたぁ……ちょっとカラスマ君、  女の子の部屋に入る時はノックぐらいしてよ!  セクハラで司令に言いつけるよ」    案の定、ベットに転がってスナック菓子をむさぼる結が居た。  「ほぅ、なら私は仕事も勉強もせずにゴロゴロしてるお前を  職務怠慢で司令に報告してもいいんだな?」  「カラスマ君のスケベ、変態、鬼、悪魔!」  「いいからさっさと仕事を済ませてこい!」  恨めしそうな目つきで賢人を睨むと、  結は走って部屋から出て行ってしまった。    「……なんでウチの連中はこうクセが強いヤツばっかなんだ」
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加