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1節
日本本土のほぼ中心。
長野県辺りに位置する森と山に囲まれた町、
『森羅町』
名産と呼べる物も無ければ、
有名人の出身地ですら無いとんだ田舎町。
こんなへんぴな場所にも
気吹戸組の支部は存在する。
コンクリート造りの四角い簡素な建物。
壁は少しコケに侵食され緑がかり、
窓は茶色くくすみ、中の様子すら確認出来ない。
更には蜘蛛の巣がかかっている始末。
手入れが全くされていないそれは、一見すると完全に廃墟だ。
入り口の木製の看板には青と白の幾何学的な模様と
~気吹戸組 森羅支部~
の文字が見える。 この物語はここから始まる。
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