1節

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 「あぁ、やっと起きたのかこのクソッタレ」  「おぅ? 朝からずいぶんな口じゃないかカラスマァ。  おはようの一言でも言ったらどうだ? え?」  「お前がもう少し早く起きてたら言ってたかもな。  さっさと顔洗ってこい」  「へっ、はーいはい、このバカガラスめ」  性格はこの通りひねくれ者で、誰にでもこの高圧的で棘のある態度。  特に賢人との仲が非常に悪く、口ゲンカなんて日常茶飯事。  まさに犬猿の仲というやつだ。    「まぁたケンカしてるし……まったく、この男共は。  ほらぁ、司令もいい加減起きてよ~」  「死んだんじゃねぇの、その老いぼれ司令」     仁が洗面所からわざわざ泡だらけの顔をひょっこり出して言う。  「ジン! 貴様何て事を言うんだ!」  「ゴメンって、そうカッカしなさんな」  そしてまた洗面所に引っ込む。  調子のいい人間である。
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