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姿勢や所作のトレーニングは呼吸、歩き方、スマホの持ち方一つ、生活上のあらゆる動きが美しく体に負荷を掛けないものであるかを定期的にチェックする。 仕事が忙しいと体はつい楽な状態を好むし、演じる役柄によっては、崩れた姿勢が適したモノもある。 なかなか体に染み込むまでいかない。 だから指導が一通り終わると、どっと疲れる。心地よい疲労だ。 2人で先生に終礼すると、僕は美希さんに近寄り 「さっきの話、本気?」 内緒話する様に声をひそめる。 汗を拭きながら彼女は 「あ、ハイ」 真面目な返答。 僕はマネージャー自家製の喉に良い飲料を飲みながら 「どうして又、僕と?」 「楽なんです。育ってきた環境や感性が近いせいかな」 彼女もペットボトルを傾け、喉を潤す。 僕も真面目に 「たけど恋愛しようって宣言したからって、直ぐ出来るものじゃないよね?僕も美希さんも。第一自然に落ちるものでしょ恋愛は」 彼女が目を細め密かにて笑う。 「ふふ、翔琉さんはロマンチストなんですね」 何だか馬鹿にされた気分で拗ねた。 「どうせ僕は…まだ夢見てますよ恋愛を」 この業界色んなお誘いがある。 バレなければ何でもOK。 仲の良い両親のもと地方のごく平均的な家庭で育った僕は、インモラルが苦手だ。 禁断に酔う感覚が分からない。 なので必然的に恋愛に対して理想が高く、高校時代の淡い交際から経験値が更新されていない。 いい加減、道を踏み外さない大人の恋がしたい。 美希さんは遠い目をして 「恋愛…夢見て良いと思います。只体合わせるだけじゃ獣と同じですし」 最後の言葉は、彼女の実体験か? …あの男とじゃない事を祈ろう。
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