青空の宅配便

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ちりん、と風鈴の音。 ふぁぁと、あくび。 そよ風が心地よいゴールデンウイークの初日。 昔から寝るのが好きだったけど、この頃は特に眠たい。 うたた寝から覚め、干していた布団を取り込むもうとベランダに出る。 真っ青な空を遠く、一筋の白線が流れていく。 飛行機雲かな。 少しずつ傾いていく光に目を細め、物干し竿にかけてあった布団に顔を埋めると、おひさまの匂いが包み込んだ。 今夜もぐっすり眠れそう。 よっこいしょ、と両腕を広げて布団を抱え部屋に入ろうとしたとき。 ズドン。 大きな音ともに、ふわふわな布団が腕から床に滑り落ちた。 なに? あっけにとられ視線を足元に落とすと、もっと驚いた。 赤ちゃんだ。 人間の。
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