第一章

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それから、連休に入り一輝の家族、蒼太と颯、風香で温泉旅行に行った。 颯が住んでいる街から、電車で2時間の自然豊かな場所にその旅館はあった。外観が古い、老舗旅館だが、中は改築されてとても綺麗だった。 部屋も、綺麗な広い和室で、窓から見渡す景色ざ緑が生い茂る山々で絶景だった。 「凄いいい所だねー!!しかもこの部屋も広いし!」 颯と蒼太と風香の3人は同室で、風香が一番テンションが高い。いつもの事だけれど、今日は更に高く思う。 「早速露天風呂、入っちゃお!」 風香は、準備をして隣の部屋に行き、一輝の母を誘って露天風呂に行った。 「ったく、落ち着気ないやつだな。俺達も行こうか?颯。」 「うん。」 颯はいつもの笑顔で頷いた。 蒼太と颯は、2人で露天風呂に向かった。一輝達は後から来ると言っていたから先に行くことにしたのだ。 颯達は脱衣場で服を脱ぎ、内風呂の扉をスライドして開けた。 洗い場が両サイドにあり、その奥に長方形の風呂があった。2人は洗い場で身体を洗った後、湯船に浸かった。 「はぁ〜極楽だなぁ〜」 「プッ、蒼兄ぃおじいちゃんみたい。」 「まだ、俺は38だ。」 「あはは。蒼兄ぃはなんで結婚しないの?もういい歳じゃん?」 蒼太は、何年も一緒にいるけど、彼の彼女とか話を聞いた事が無かった。颯のようなイケメンというよりメガネを外したら、目が少し大きくなって若返って可愛くなる。それを本人は気にしてメガネを掛けている。 「結婚しないんじゃなくて、できないんだ。相手いないしなぁ〜」 蒼太は苦笑する。 「じゃあ好きな人は?」 「今はいないなぁ〜」 「じゃあさ、好みの女の子は?」 一輝の母さんみたいな人かな。明るくて温かい人。かな〜。」 「なになに、もしかして、おばさんの事好きなの?」 颯はニヤニヤする。 「バカ、違うよ。でも、理想ではあるよなぁ」 「ふ〜ん。」 「颯はどうなんだ?お前、学校でモテまくってるだろ?彼女とかいないのか?」 颯は、いつも笑顔になる。 「いないよぉ〜」 「そうか、好きな人は?」 颯は、いつもの笑顔をしながら、胸がズキンとする。 「いないなぁ〜」 本当は、一輝が好きだけど。 「そっか〜。」 蒼太は、少し笑い、外風呂に行こうと言った。
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