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外風呂は、石造りの露天風呂になっていて、成人男性が5人くらいが入ったらいっぱいになるような、こじんまりとした風呂だ。
露天風呂の周りは、日本庭園のような造りになっていた。
「凄い所だねぇ〜」
「本当だなぁ〜」
颯は蒼太と並び、周りを見渡す。
暫くして、一輝達がやってきた。
颯は、いつもの笑顔ではいるが、胸の鼓動がはやくなっている。
「気持ちいいなぁ〜」
髪はリーゼント、目付きが鋭くどう見てもヤクザにしか見えない一輝の父が、少し柔らかい表情になる。
「そうだね。」
「颯、大丈夫か?なんか顔赤いよ?のぼせた?」
「えっ?あっ?そうかも。俺先に出るね。」
そう言って、急いで脱衣場に戻る。そして、頭を下げてうずくまる。
颯は、一輝が露天風呂に入ろうとした時、タオルを退けて下半身がむき出しになっているのを見てしまった。
一輝のそれは、颯が思っていた通り大きかった。
胸の鼓動が早くなると同時に、颯の下半身も疼いてしまった。段々顔が熱くなってきた。
「だから、露天風呂来たくなかったんだ。僕おかしいよ、スグこんなになるなんて。」
颯は呟いた。
「颯大丈夫か?」
蒼太が、心配そうに声を掛けてきた。
「うん、大丈夫。」
颯はいつもの笑顔に戻る。
そして、着替えて部屋に戻った。
風香は、まだ戻っていなくて蒼太と2人だった。
「水飲んで少し横になってろ。」
「うん。」
颯は、蒼太からペットボトルの水を受け取り、飲んだ後横になった。
「なぁ〜颯。お前、なんか悩んでるんじゃないか?」
「え?ないよ、どうしたの急に?」
「そうか、ならいいんだ。」
颯は蒼太に、背を向ける。
”僕はゲイで、一輝が好きだと言える訳ないじゃん”
それから、風香が戻り、一輝達家族と一緒に夕食の懐石料理を食べた。
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