第一章

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家庭の事情から、一輝の家に井川愛子が住む様になった。 彼女は、一輝の家に来てからみるみる回復して、顔色も良くなり、笑う事も多くなった。 だけど。 一輝は、無意識に井川愛子と距離を縮めようとしていた。 元々気になっていた子が、あんな目にあって、それが今は一輝の家で一緒に暮らしている。 一輝と井川愛子と会話しているのを聞いてしまった。 井川愛子は、携帯でメッセージを入力し、一輝に見せた。 「うん、そんな感じしてた。」 「学校で気になってみてた。」 一輝は、恥ずかしそうに愛子に言った。 愛子も顔を赤くしていた。 「何なに?愛子を口説いてたの?」 颯は、いつもの笑顔で一輝に近づき言った。 2人は赤くなっていた。 少し2人をからかって、リビングのドアを閉めて、颯は顔を歪ませた。 ”一輝が井川愛子を好きになってる。本人は無自覚だけど。井川愛子もきっと一輝を好きになる。僕の目の前で、2人はーーーー”
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