399人が本棚に入れています
本棚に追加
颯は、驚く。自分はゲイだと他人に普通に言えるものか?
しかも何で俺もゲイだと分かったのだろうか。
一輝に振られたのだってーーーー。
「何で僕がゲイだと思ったの?あと一輝の事が好きだって思ったの?」
「あ〜、ゲイ同士ってなんとなく分かるもんなんだよ。それに、お前が一輝君を見る目は好きだと言ってる。お前と一輝君が一緒にいる所みただけで、ピンときた。」
「僕、そんなに分かりやすい?」
颯は戸惑う。
「いや、うまく隠してると思うぞ。俺にはその嘘が通用しなかった、ただそれだけだ。」
「何それ。なんか悔しいな。僕、色んな自分の気持ちを人に隠すの得意だったのに。いつもニコニコ笑う僕の事、皆何考えてる分からないってよく言ってるんだよ?」
「そうか?俺はお前を見ていると、苦しくて苦しくてしょうが無いって見えるけどな。」
颯はえっ?と教生を見て、また涙が溢れ出す。
”そんな事初めて言われた。”
教生は、タバコを携帯用灰皿にすり込ませながら入れた。そして、身体を颯の方に捻り、颯との距離を詰める。
「俺がそんなお前を慰めてやろうか?」
颯は、教生をただ見つめる。
「慰めるって何してくれんの?」
教生は、颯にキスをした。ただ触れるだけのキスを。
顔を少し離し、颯を見つめる教生。
「こういうの。」
教生は颯の返事を聞かずに、またキスをした。
今度は少し長めの触れるだけのキスをした。
颯は、息ができないと顔を離し、口を少し開けて息をした。そんな颯に教生は微笑んで、また口付ける。
今度は、自身の舌を颯の口に捻りこませる。颯の舌と絡めせ、歯列をなぞり貪るような深い口付けをした。
颯は、背筋に電流が流れるような感覚に陥って、段々力が抜けていく。
教生はそれを知ってか知らずか、片手を颯の首をなぞって後頭部を支え、もう片方は颯の腰に回し、強く抱きしめる。
”何これ、止まんない。”
暫くして、教生は颯の唇を離す。颯は、目を潤ませ頬が赤くなっていた。
颯は、「もっと、、、」と言って、今度は自分から教生にキスをした。そんな颯を教生は受け入れ、深い口付けをした。
最初のコメントを投稿しよう!