第一章

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颯は、教生との口付けに夢中になった。 何故か分からないけど、止まらなかった。 「ん、ん、っふぁ」 ”声が抑えれない” それは教生も同じだ。教生が強く抱き締めながら、颯の唇を食むように口付けをする。そして、颯の口の中に舌を入れ、颯の舌と絡ます。 "この子とのキス、気持ちいい。今までで一番。" クチュクチュと部屋中に響く。 ”ファーストキスがこんなキスだなんて、想像してなかった。” どれくらい時間が経ったか、ようやくお互い唇を離した。 颯は、肩で息をしながら教生に潤んだ目で、見つめる。教生は、笑って颯の顔を自分の胸に引き寄せ、抱きしめた。 「僕、ファーストキスだったんだよ。まさかこんな激しくてとろけそうなキスしちゃうなんて。信じらんない。」 「嫌だったか?」 「ううん。もっと沢山したくなっちゃうキスだった。」 「昨日、俺にキレたろ?」 「うん。八つ当たりだった。ごめん。」 「いや、いいよ。あんな事は俺だけに見せるお前の本当の姿だろ?」 「そうだね。いつも、イラついても笑ってたし。なんでか、先生には言えたんだよね。」 「これからも、俺はお前の本当の姿が見たい。」 「うん。先生になら出せる気がする。」 「いっぱい慰めてやるよ。頭の中俺だけになるようにな。」 教生は、颯を離し、颯の目を見つめる。 颯も、その目に吸い込まれるように見つめた。 そして、お互いの顔が近づきまたキスをした。 ん、ふぁ 深くなるキスに、颯は声が鳴る。 教生と颯はキスを終え、颯は教生に抱きついた。 「ねぇ、また来ていい?」 「いつでもどうぞ。待ってるよ。」 颯は、初めて本当の自分を見てくれる人間に出逢えれた。それが嬉しいと思った。 "僕を見つけてくれた。本当の僕を。この人になら、、、"
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