終章

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次の日の朝 「颯、颯、」 颯より早く起きた優也が、颯を抱きしめ、額、瞼、唇と軽くキスをしながら優しく起こそうとする。 颯は、朝が弱いのでなかなか起きようとしない。 「仕方ないな、、、」 優也は、颯の口をこじ開け食むように口付けする。舌を絡ませ、裸のままで眠っている颯を手を使って更に刺激していく。 颯が感じやすい場所を、乳首を執拗に弄り、深く口付けをする。 「んっ、んっ、ゆ、優、や、さん、んっ、」 「颯、起きたか?」 「あんっ、起きた、起きたから、、、」 颯は、優也の口付けを受けながら、優也の手を払い除けようとしていた。 その時だった。 トントン 「優くん、颯?おはよう、朝ごはん作ったけど食べる?」 愛子が、そう言いながら襖を開けた。 「え!?」 「「あ!?」」 愛子は、優也と颯が裸で絡まりながらキスしていたので、顔を赤くし、両手で顔を覆った。 颯も、一気に目を覚まして、アワアワするので優也がぎゅうっと抱きしめる。 「ちょー!優也さん、離してぇ~」 「あ、お取り込み中ごめんなさい!!朝ごはんできてるからいい時に食べて?あ、あの、できれば私仕事があるからなるべく早くが嬉しいかな?」 愛子は、早口でそう言いながら襖を閉めた。 「もう!優也さん、見られちゃったじゃん!」 優也は、すまないといいながら、颯から離れ起き上がる。 颯も、脱ぎ捨てた服を拾い集めて、急いで着替える。 二人とも着替えを終えると、襖を開けて居間に行くと愛子が顔を赤くしたまま朝食を食べていた。 「おはよう!愛子~」 颯は、愛子が一輝の家にいる頃には見せた事ない、キラキラ幸せオーラ全開笑顔をする。 "ま、眩しいわ、、、颯、、、" 「おはよう、颯」 三人でご飯を食べる。愛子は、何となく目を合わせようとしない。 「もしかして、夜、声聞こえた?」 「う、うん?ちょっと、聞こえちゃったかな?」 颯は、ニヤニヤしながら、わざとらしく、意地悪く、嫌味を言う。 「ごっめ~ん!僕と優也さんとほぼ毎日えっちしてるから~ついねぇ~?ごめんねぇ~?ウブの愛子には刺激強かったねぇ~!ごっめ~ん!」 「もう!颯!意地悪言わないで!中里先生に言うわよ!」 颯は、げっ!と顔を引き攣らす。 「蒼兄の連絡先知らないでしょ?そんな脅しても怖くないもん!!」 今度は、愛子が意地悪な表情になり、自分の携帯を取り、操作し始める。 「もしもし?風香の言う通りだったわ!今、颯に変わるわね?」 愛子は、すました顔で自身の携帯を颯に渡す。 颯は、風香なら怖くないもん、と思いながら携帯を受け取り耳に当てる。 「おはよう、風香?」 「ーーーおはよう、颯。お前、井川さんの前でも節操が無いんだな。これは、帰ってきたらーー」 風香ではなく、冷徹な蒼太が出たので、ごめんなさ~い!!と顔を青くしながら通話終了をタップする。 「なんで、朝から蒼兄がいるのさ!!」 愛子はふふふっと笑う。 「風香一人だけになるから、実家に帰ってるんだって」 「もう!愛子の意地悪。」 颯は、少し拗ねてご飯を駆け込むように食べた。 優也も愛子も、ぶっと吹き出しながら笑った。
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