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優也と颯の愛の誓い
11月3日
その日、雲ひとつない青空と広大な海に囲まれながら、僕と優也さんは永遠の愛を誓った。
僕達は、厚みのある光沢が眩しいハイパープラチナシルバーのロングタキシードを身につけ、二人でバージンロードを歩いた。
シンプルで透明な小さな祭壇に、その上に鐘がある。
その祭壇に、近づくにつれて神父がにこやかに僕達を迎えてくれる。
祭壇に着くと、神父が祝福の祈りを捧げ、一緒に聖書を読み、聖歌を歌った。
優也さんの歌声を初めて聞いたのだけれど、低音で胸に響く声で感動して涙が出たんだ。
そしてーーーー
「岡田優也、あなたは吉田颯を妻とし、病める時も健やかなる時も、喜びの時も、悲しみの時も、富る時も貧しい時も、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くす事を誓いますか
?」
「はい、誓います。」
「吉田颯、あなたは岡田優也を夫とし、病める時も健やかなる時も、喜びの時も、悲しみの時も、富る時も貧しい時も、夫を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、その命ある限り真心を尽くす事を誓いますか
?」
「はい、誓います。」
「では、お互い向かい合い、指輪の交換をしてください」
僕達は、神父様の言われるまま向かい合う。
優也さんは、僕の目を真っ直ぐ見ながらそっと、僕の左手を取り、ゆっくりと薬指に指輪を嵌めてくれた。
僕は、凄く緊張して、手を震わせながら、優也さんの左手を取り、薬指に指輪を嵌めた。
僕があまりにも、手が震えていたので、優也さんは僕の手をギュッと握りしめて、優しく微笑んだんだ。
「ここに、二人を夫婦として認めます。誓のキスを」
神父様の穏やかな声を聞いて、優也さんと僕はそっとキスをした。
優也さんの唇は、とても暖かった。
「颯、愛してるよ。永遠に。」
唇をそっと離して、優也さんは優しく言ってくれた。
僕は、嬉しくて、涙が溢れてきたんだ。
「僕も、優也さんを愛してる。永遠に。」
優也さんは、薄ら目に涙を浮かべ、今まで見た事がない暖かい笑顔で、僕を抱きしめてくれた。
僕もギュッと、抱き締め返した。
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