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チャペル式を終えた後、颯と優也は区役所に行き、パートナーシップ宣誓書を提出しに行った。
「はぁ~、僕、優也さんと結婚したんだぁ~!幸せすぎて、顔が緩んじゃう」
颯はパートナーシップ宣誓受領書を受け取り、それを眺めながら歩く。
優也は、いつものように颯の腰に腕を回しながら寄り添って歩く。
「これから颯は、俺の可愛い奥さんだ。」
颯は、えへへっと照れながら、優也を見上げる。
優也と颯は、両親や友人達からお祝いだと、高級ホテルのスイートルームでの宿泊券をプレゼントされていた。
そのホテルに到着し、中に入ると、颯は口をあんぐりと開けて、ホテルを見上げる。
ロビー中央に豪ジャスなシャンデリアがあり、その下には白い大理石の床が光に反射してキラキラと輝いている。
右手側に、フロントがある。
中央から2階にかけては、まるでシンデレラにでてくる階段のようで、赤い絨毯が敷かれている。
「すっごーい。優也さん、凄すぎー!」
「颯、そんな上ばかり見てると、転んでしまうぞ」
優也は、颯にそう言いながら、フロントでチェックインを済ませる。
エレベーターもあるのだが、颯が2階にかけての階段を登りたそうにするので、優也は颯の手を取りゆっくり階段を登っていく。
「うわぁ~、素敵だなぁ~」
「お気に召されましたか?お姫様?」
「お、お姫様って!僕男だから!!」
颯が少し拗ねるように言うものだから、優也は可愛くてつい意地悪を言ってしまう。
「あぁ~、じゃあ、王子様だな?」
颯が、あまりにも恥ずかしそうに慌てるので、益々可愛くて仕方なかった。
2階に上がってからは、エレベーターで最上階まで登った。
部屋の中に入ると、広々とした部屋に大きなダブルベッド、アンティークなソファーやテーブルが置かれていた。
テーブルの上には、沢山のプレゼントが積まれていた。
また、長広いガラス越しからは煌びやかな街を一望できる。
部屋の奥にあるバスルームは、大理石のタイルに、優也が足を伸ばしても十分な広さの浴槽もある。
とにかく、どこも広々としていて、颯は部屋の中を探検するのに夢中になった。
「すごーい!優也さん!こんなホテル、初めて泊まるよ!!すごーい!!」
「こら、颯?落ち着きなさい。」
優也は、颯を後ろから抱きしめる。
「皆から沢山プレゼントを貰ってるよ?見よ?」
颯は、うん、と言って優也に振り向く。
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