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颯と優也はアンティーク調のソファーにゆったりと腰を掛け、一つ一つ、プレゼントを開けていく。
両親からは、SRY'sのお揃いマグカップと、ヨーロッパでのハネムーンのチケットが贈られた。
「ヨーロッパかぁ~!!僕、海外旅行行った事ないから楽しみー!!」
「俺も初めてだ。英語は喋れるが他がなぁ~」
「大丈夫だよ?僕、6ヶ国語喋れるから安心して?」
優也は、相変わらず颯のハイスペックに顔が引き攣りそうになる。
風香からは、シックな写真立てと、プリザーブドフラワー。
唯斗からは、何故かお揃いの農作業着。
「唯斗、僕達農作業しないから!もう、アホなんだから!」
「まぁまぁ、」
蒼太からは、高級そうなシャンパンとグラス。
「そっか!僕、20歳だからお酒飲めるんだ!」
「後で、飲もう。」
春子からは、高級そうな赤ワイン。
真由子と光からはーー
「な、な、な、何これ!?」
青紫色のいかにも如何わしそうな箱の中には、SMグッズが入っていた。ムチやら蝋燭、猿轡などなど、颯は思わず箱の蓋を閉めて、何も見なかった事にする。
きゅうちゃんからのプレゼントは、颯は萌え顔になる。
幻の黄金のリュウバイブに、幻のリュウ一人セックスハウツーDVD、リュウプロデュース限定紐パン
「りゅう~!!さいこぉ~!!!」
優也は、そんな萌え萌えになる颯にムッとして、そのプレゼントは取り上げる事にした。
「これは没収だ!」
「えー!!!うそー!!」
「颯?お前は誰の嫁になったんだ?」
颯は、しゅんとなりながら、ごめんなさいと呟いた。
気を取り直して、龍太郎と園田からのプレゼントは、
颯と優也の名前入り置き時計。
恭一からは、高級そうな白ワイン。
そして、A4サイズのアルバム。
そのアルバムは手作りで作られており、颯と優也が付き合い初めてからの写真がびっしりと詰め込まれていた。
颯と優也が、幸せそうに笑い合っている写真、颯が拗ねて優也が困っている写真、颯と優也がベンチで寄り添って眠っている写真、ご飯を食べさせ合いをしている写真、、、
「これ、、、」
颯は、嬉しくて涙が溢れる。優也と自分が幸せいっぱいの写真を誰かが沢山撮ってくれていたのだ。
「僕の事、気持ち悪いって思わなかったのかな?」
「当たり前だろ?じゃないとこんなに沢山写真撮らないだろ?しかし、誰が撮ったんだ?」
優也は、颯を慰めながら一緒にアルバムを捲っていく。
だが、二人はある写真から固まってしまう。
誰もいないはずの教室でこっそりセックスをしている写真、森林公園の茂みでこっそりセックスをしている写真、誰もいないはずの校舎の裏でこっそりセックスしている写真なども沢山あった。しかも、颯のアソコが綺麗に写し出されていたり、優也の立派なそそり立つそれもバッチリ写し出されていた。
「こ、こ、これ!盗撮じゃん!!」
颯は、涙が引っ込み、ゾッと鳥肌が立つ。
だが。
アルバムの最後に、颯が優也に抱きしめられて幸せだという表情に、優也がそんな颯を愛おしそうに見ている写真が貼られていた。
"私達は、お二人に幸せを沢山頂きました。お二人の幸せが私達の幸せでもあります。ありがとうございます。 お二人をそっと見守る会一同。会長千葉真由子"
颯は、思わず吹き出す。
「真由先輩!もう、お二人をそっと見守る会って、、、ストーカーじゃん。」
颯は憎まれ口を叩きながらも、嬉しくてまた涙が溢れた。
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