第2話  『地球の欠片』

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第2話  『地球の欠片』

 バラバラになった、地球の破片にも、人や、さまざまな、生き物たちが住むことができるようなかなり大きなものもあれば、それこそ、大量のチリになってしまったものもあります。  この、チリのなかには、資源として利用できるものもあります。  そこで、生き残った地球人のなかには、このチリを収集することを仕事として、開拓をした人たちがありました。  ただし、そうはいっても、宇宙船をはじめとして、分別装置とかもそうですが、それなりの設備というものが必要であり、それには、それなりの、資金や、技術が必要であります。  小惑星が、地球にぶつかることが、避けられないとみた地球の各国は、各々が、技術や、資本をつぎ込み、可能な限りの数の、現代版宇宙方舟を建造しました。  それに、乗る乗らない、乗れる、乗れない、ということから始まる、大混乱の有り様は、長い小説や、巨大な映画にもなっておりますから、あらためて語ることもないでしょう。  公式に、政府から選定された人たちもあれば、くじにより決まった、つまり、運が、全てだった人たちもありました。  また、一部には、政府ではない、民間が作った、脱出宇宙船もあり、これは、まずは、お金が出せるかどうかが、問題でありました。  結局、どれにも乗れなかった人たちが、全人類の80%近くはいたと、されています。  しかし、結局のところは、生き残りの人たちの多くは、未開の地の開拓者でありました。  早い話し、財力がなくても、成り上がった人もあれば、老舗の力を継続させた資産家もありました。あまり、財力は役に立たなかった場合も、ありました。  つまり、失敗したわけです。  それでも、やはり、世渡りの上手い下手は、ここでも、生き方を左右したのです。  で、宇宙船を手にいれ、臨時分裂地球政府から、許可を得て、資源になるちりや、欠片の回収をする業者が、形作られて行きました。  大成功して、巨大な会社になった場合もあり、長く、ほそぼそと、やっていた人たちもありました。  また、そこに、雇われる形の人たち、つまり、労働者が、新たに生まれました。  これは、たくさんある、分裂後の地球史の中の、ひとつの例です。  つまり、人類は、そう簡単には、絶滅しなかったし、たくましく蘇りつつは、ありましたが、結局のところは、また、新たな、貧富の差を産み出したわけなのです。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・              つづく
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