調査4日目、親善

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       ―休暇日Ⅲ 休息―    話しているうち、活動場に様々な生物たちが出てきた。 そこで行われる遊戯は、ただひとつ、飴玉(あめだま)の回収という目的を持つ。 ただし、参加者の体の違いを考慮して、体ひとつで臨む者と、乗り物に搭乗する者と、活動場の仕掛けを利用する者とに分かれ、さらに、活動場には、陸上、海上、海中、空中のような大まかな区別があるなどで、それぞれの活動場内での競い合いになる。 ミナたちは、海面より上の見物席に()るので、海中は見られないが、(そら)の高い所が見(にく)いということはあるものの、多くの活動場を確認できた。 まず、一番低い所は、海面付近で、中央の楕円と、その外側に四重の輪があり、一番外側は、乗り物で海面を走る者と、体の能力で海面近くを泳ぐ者と、体の能力で海面に足を付ける者が競い合うので、最も幅が広く、残る三重の輪には、乗り物、泳ぐ者、海面を駆ける者と、分かれて競い合い始めた。 最も外側に当たる輪の中には、駆ける者のための、海面に浮遊する足場が点在しているので、それ以外の者は、これを()けなければならない。 泳ぐ者は、下か横、場合によっては飛び跳ねて()けられるが、乗り物は、潜ることと飛ぶことができないので、横に()けるしかない。 この乗り物は、基本性能として、かなり速く進めるようだが、一定以上の速度で障害物に接触することができないため、操作する者の意図しない減速が生じるなど、とても扱いが難しい。 きちんと速度を計れば、明らかな能力の違いが現れるのだろうが、見たところ、競う者の競技手法の違いは、不公平と言うほどに、かけ離れたものでは、なさそうだ。 「ふうーん。慣れてくれば、それぞれ、差が出そうだけど、今日一日は、一緒のも、楽しめるかもですね!」 ミナは、自分にも、乗り物は操れそうかなと、活動場の状況とも考え合わせて、一度くらいは参加しようと目論む。 そのように考えながら、ざっと活動場を見回すと、次には、人の容姿を探して、同時に、キリュウたちも探す。 海面から、かなり高くなった所には、透明で色の少ない陸地が形作られており、天高く延びている螺旋状の通路は、その空中に浮く陸地を突き抜けている。 通路内では、空中移動を行う、翼持つ者と、浮遊する足場を駆け下り、駆け上がる者と、そして、水が流れている通路や、水で満たされている通路では、泳ぐ者もいて、多くの種類の生物の動きを知ることができた。 ミナは、()(もた)れを大きく傾けて、上空を見上げる。 様々な生き物の動きを知り、何より、そこにある、彩石に通ずる力を知る。 こうして見ると、生き物の中にある力と、彩石の力とでは、全く違う。 人のそれとも違うけれど、生き物だという共通する感覚はある。 ミナは、目を閉じて、知覚を確かめる。 大丈夫。 そんな言葉を、胸に置いて、目を開けた。 うん。 もう、大丈夫だ。 もう一度、目を閉じて、ミナは、声を掛けられないのをいいことに、眠った振りで、休むことにした。 知覚の判別は確かになったが、疲れた。 気付かれているかもしれないけれど、どうか、この場には、()させて欲しいと、願う。 わあわあと、楽しげな声が、心地いいのだ。 イエヤ邸の子たちは、今頃、どうしているのだろうなと、気持ちが遠くへと向かう。 アルシュファイド王国での、これからの、生活に。
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