闘病生活

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闘病生活

奇跡的に助かった僕の病院生活は、まずは激しい痛みとの闘いだった。 全身打撲と顎と尻を骨折した痛みは生きている喜びを忘れさせるには充分だった。 入院してから始めの1週間は集中治療室で絶対安静であった。 もちろん、生きていて本当に佳かった。 しかしながら、今、生きていて佳かったと実感するには、痛みが消える半年ぐらいまでの時間がかかるのだが、その話はまた書くとして、入院生活は苦痛だった。 身体の痛みしかなかった。 そんな中、食事だけが唯一の楽しみであった。 もっとも顎の骨が折れてしまったので、上と下の歯を金具とゴムで固定する必要があったことから食事は流動食(ミキサー食)であった。 それでも食事の時間は僕の中の痛みを忘れさせてくれた。 入院生活1週間が過ぎ病状が安定。一般病棟に移動になった。 痛みはまだあったが、病院内を自由に歩くことができた。 自由は嬉しかった。 僕は院内をとにかく歩き続けた。 一刻も早く退院したかったのだ。 毎日毎日ただ歩き続けた。 約2か月の入院生活を終え、自宅に帰ることができた。 退院したときは大変に嬉しかった。 そこから約3か月の自宅療養を経て、無事に社会復帰を果たすことになった。
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