スイーツブッフェ・リベンジ

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 日が傾きかけると、急に寒くなる。夕焼けに照らされた帰り道の公園の自販機で、俺は彼女にホットの某有名カフェ監修のミルクラテを渡した。 「ありがとうございます……これ、美味しいですよね」 「ああ」  それは、俺と佳英の思い出のミルクラテ。それを好きでいてくれてることに、俺はなんとなく照れてしまった。  ふいっと顔を反らせて胸ポケットからキャンディの箱を取り出し、一粒ぽいっと口に放り込む。それをガリガリ噛んでいると、佳英は不思議そうに俺の顔を見上げていた。 「何?」 「その飴……」 「ああ、これは……」 「ストロベリーミント」 「え?」  俺は驚いて足を止めた。  佳英もつられて立ち止まる。 「何となく、そんな気がしたんです」  前を歩いていた颯斗が、突然振り返った。 「これは、運命だったりして?」 「お前は何を言って……」 「だってさ、ストロベリーミントだなんて、普通当てられなくない? これはもう、運命でしょ☆」  いつものようにおちゃらけた颯斗は、俺にニヤニヤと笑いかける。 「あのなぁ……」 「運命……かぁ。なんか、素敵ですね」 「はぁ?」 「佳英ちゃんもそう思うでしょ? もうさ、二人付き合っちゃえば~?」  颯斗はそう言うと、先に歩き出した。俺もつられて歩き出す。  が、佳英は止まったままだった。 「どした?」 「あの……」  佳英はうつむいたまま呟いた。 「私はいいですよ、付き合っても……」  俺と佳英の間に吹いた風は、11月だというのにとても暖かく感じた。
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