スイーツブッフェ・リベンジ

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 アップルパイは颯斗の入れ知恵だった。会いに行くのではなく、(を装って)会えば良いのだ。  俺はコンビニのドリンクの棚の前で、彼女を待っていた。出勤前に、彼女はここでお菓子を買う。付き合う前からの、彼女の日課だった。 「今月の新商品は……」  案の定彼女の声が聞こえて、俺はお菓子売り場の棚に向かった。そして、商品棚を物色する彼女の背後から、腕を伸ばす。 「あー、最後の一個だったのに!」  マロン味の口どけチョコを手に俺は固まった。頬を膨らました佳英は、やっぱり佳英なのだ。 「あ……伊達さん。おはようございます」 「あ、ああ……」 「本当に甘いの、お好きなんですね」  佳英は社交辞令のように笑うと、隣にあったキャラメルの箱に手を伸ばしてレジへと向かう。 「おい、待てよ!」  俺は彼女の手からキャラメルを奪い取ると、さっさと会計を済ませた。 「ほらよ、これ」 「え、でも……」 「気が変わったの。キャラメル食いたくなった」  俺は佳英にチョコを手渡して、足早にコンビニを去った。
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