プロローグ

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 何が言いたいかって言うと、俺は妥協と甘えの詰まったダメな人間で、適当に選んだ第二希望の大学に愛着もなく、この歳にもなって恋愛にも興味がなく、微妙な関係の友人と実りのない合コンに参加して。  あー、適当な人生だなあ、と時々寝る前に虚しくなる。  このまま年老いていくのか。妥協ばかりする自分に甘い俺は、きっとこの先も何もないまま過ぎていくんだ。  そりゃまあ、セックスくらいはしたいけど。  別に、今じゃなくてもいいし。本当に切羽詰まったら、あの友人でもいいや。  なんて、日々惰性的に生きていた。  後悔なんてない。いつも俺としては全力を出していた。いや、本当は自分の全力がわからなかった。でもそれでもいい。今までそうやって生きてきたから。そう本気で思っていたつもりだった。  だけどそんな俺に、天罰が降ったらしかった。
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