彼氏が私の浮気を疑った件

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「うーん。なるほどね……」  私の話を聞いたお兄ちゃんが、コーヒーを一口飲んだ。  いつもはお風呂上りにはビールと決めているお兄ちゃんが、アルコールを呑まずに私の話を聞いてくれている。  ありがとう、お兄ちゃん……。 「……私は智明くんと行く旅行、凄く楽しみだったんだよ? それは智明くんも分かってるはずなのに……。浮気してたらこんなに楽しみになんてしないよ……」  私は側にあったタオルで顔を覆って呟いた。 「桜子……。『分かってるはず』って思ってるのはお前だけで、彼は『分かってない』かもしれないよ」  お兄ちゃんが私の頭にポンと手を乗せて優しく言った。 「男ってさ、察するのが苦手なんだ……。まあ俺の持論でしかないから、お前の『智明くん』は違うかもしれないけど」
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