彼氏が私の浮気を疑った件

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「昨日は、ごめんなさい!」 「昨日はごめん!」  2人の声が同時に部屋に響いた。 「えっ……?」 「えっ……?」  私が思わず顔を上げると、驚いている智明くんと目が合った。  智明くんがぷっと笑い出す。 「……ははっ。俺たち息ぴったりじゃん」 「ふふっ。ホントだね」  私もつられて、くすくすと笑ってしまった。  智明くんが、ふう……と息を吐いて真面目な顔で私を見た。 「桜子、ごめんな。俺に言わないことがあるからって、浮気を疑うのは短絡的だったよ。……ホントごめん」  私は慌てて首を横に振った。 「謝るのは私の方だよ。智明くんに重いって思われるのが怖くて内緒にしてたのは私だし。けど……。」  私は大きく、はああ……、とため息をつきながら両手で自分の顔を覆った。 「まさか、自分が浮気を疑われるくらい挙動不審だったとは思わなかった……」  恥ずかしくて、顔も耳も赤くなっていくのが分かる。  智明くんが私の後ろに移動してきて、両腕で私の体を包み込んでくれた。 (……温かい。智明くんの腕の中、なんか安心する……)
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