そんな神様と私のお話

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そんな神様と私のお話

 私の名前は遠野美夏(とうのみか)。  さほど有名でもない高校に通い、さほど凄くもない成績の女の子。  何か特技があるかと言われても特になし、そんな感じ。  けれども一つだけ欲しい物があった。  それは彼氏。  他の子達が彼氏の話をしていたり、街中で手を繋いでるのを見ると少し羨ましく思ってしまい、欲しくなった。  しかし好きな男の子の人がいるわけでも同級生の男子に興味があるわけでもない。  じゃあどんな人が欲しいか? ってそれに困った私はあることを考えた。    なら! 神様に頼んで赤い糸を結んでくれた男の子と付き合えばいい。  簡単に言っちゃえば困った時の神頼み、そんな感じ。    そう考えた私は一人、学校の友達と会わない田舎の方の駅に降りて階段の長ーい神社をわざわざ探して向かっていた。    ネットで調べた情報によると……かなーり昔に建てられた神社で今は幽霊神社とまで言われ、参拝者がいないとまで書かれていた。  けれども私からすれば他の人に願い事が聞かれず、友達にも笑われない。  そんな場所が会ったことに一人喜びながら階段を一人頑張って登り……やっとのことで境内に辿り着いた。 「ここが……百雲(ゆくも)神社……?」  左右を見回しても木しかなく、目の前には小さな小さな神社らしい物が一つ。  お賽銭を入れる場所も貯金箱かと思うぐらい小さな物で中には何も入っていない。  それを見て少しだけ微笑んだ私は奮発して五百円を入れて両手を合わせて言った。 「わ! 私にどうか! 彼女! ……じゃなかった、彼氏ができますように!」  心の中で言えば良かったと思うほど緊張しながら言った。  しかし彼氏と言うはずが彼女と言う始末。  恥ずかしい気持ちを抑えて私は元来た道を戻ろうとした直後……目の前に巫女服を着た一人の女性が姿を現した。 「きれいーー」 「あなた可愛いわね! 何歳?!」 「ぇ、え?! わ、私は一六……」 「一六歳?! 良いわね良いわね、とってもいい! 私、そういう年代の子大好き! さぁ、私の彼女に……じゃなかった、私があなたと付き合ってあげるわ!」  突然現れた巫女服で金色の髪色をしたポニーテールの女性。  見た限り、私より少し年上のお姉さんと言った感じの人。  しかし……そんな人が突然変なことを言い出した。  
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